動物別症例集

ウサギの陰嚢ヘルニア

After

ウサギの陰嚢ヘルニア

一般的なオスの動物において、精巣は最初は体の中にあるのですが、成長とともに陰嚢に降りてきて、体の中と陰嚢の間の穴は塞がります。
ですが、ウサギさんではこの体の中と陰嚢の間の穴は生涯を通じて開きっぱなしです。
そのため、精巣が陰嚢にあったり、体の中に戻ったりすることもあります。

陰嚢ヘルニアでは、その穴を通って、本来体の中にあるはずの臓器が陰嚢に出てしまいます。
今回のウサギさんでは、膀胱というおしっこを貯める臓器が出てしまい、おしっこが出にくい様子がありました。

ヘルニアの場合、臓器に血が巡らなくなってしまったり、膀胱の場合はおしっこが出なくなるなど危険な状況になる可能性もあります。
この子は手術で、膀胱を体の中に戻し陰嚢ヘルニアの部位を縫って塞ぐことで事なきを得ました。


ヘルニアを疑う場合、いつもと違うところ(おへそ、陰嚢など)が膨らむことで気づくため、健康診断で触診する際に見つかることもあります。
早期発見のために、普段からのスキンシップや定期的な健康診断が大切です。

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