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動物別症例集 9ページ目

エジプトトゲオアガマの膀胱結石

エジプトトゲオアガマは総排泄孔から固形物の糞、液状の尿、クリーム状の尿酸塩を排泄します。タンパク質の過剰摂取、水分不足、環境湿度の低下などで、尿酸が硬化すると結石となり、ある程度以上の大きさに成長した結石は、痛みを伴い、周辺の臓器を圧迫するので、便秘、卵秘、尿道閉塞、食欲低下などのさまざまな異常を引き起こします。また、腎臓への負担の増加や脱水による高尿酸塩血症(=痛風の症状)、体腔内臓器(腹膜、心臓、膀胱など)の浮腫等の異常がみられることもあります。 結石は非常に大きくなると、膀胱の穿孔や周辺臓器の損傷が起こり、死亡する危険もあります。治療法は、全身麻酔による膀胱切開で結石を摘出する方法になります。


ウサギの乳腺腫瘍

ウサギの乳腺腫瘍は悪性腫瘍の確率が高く、乳腺癌として知られています。転移率も高いので、早期発見が重要になってきます。普段の生活からお腹などを触る習慣をつけておくとよいでしょう。ウサギの乳腺腫瘍も犬や猫と一緒で、外科的摘出術が第一治療法です。再発率も高いため、手術後の定期的な健診も大事です。


猫(スコティッシュ)の骨関節症

猫の骨関節症は、変形性の関節疾患で、動作時に困難と痛みを伴います。若年層でも発症することがありますが、主に中年期から高齢期に見られます。スコティッシュホールドは遺伝的に発症することが知られています。

変形性骨関節症は完治する病気ではありませんが、適度な運動・体重制限・内科的治療(鎮痛消炎剤など)などで症状を緩和できる場合があります。


犬の会陰ヘルニア

会陰ヘルニアは、原因は不明な点も多いですが、男性ホルモンが影響していると考えられます。5歳以上の雄犬に多く見られます。症状は、ヘルニア嚢内に腸が出て、便秘や排便困難が見られるようになります。

治療は外科手術で、筋肉の隙間を他の筋肉で塞ぎ、脱出した臓器を元の状態に戻します。同時に去勢手術を行うことで発生率は低下することがわかっているので、予防できる病気です。


カエルの浮腫病

カエルの浮腫病は体の組織や体の中に水分が貯留していることを言い、風船病と呼ばれます。原因は感染症、内臓 疾患、栄養性疾患など様々で、この状態になると数日で亡くなってしまうこともあり、治療方法は抗生剤の投与、利尿剤の投与、水分を直接抜くなどの対症療法になります。

痩せてきた、最近食欲がないなどの症状がみられてきたらなるべく早めに病院に連れて行きましょう。


猫の子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は、子宮に細菌が感染することで炎症が起こり、子宮内に膿がたまる病気です。元気や食欲がなくなるほか、発熱や嘔吐、下痢、多飲多尿などが認められることがあります。場合によってはショック症状や急性腎不全を併発することもあります。
治療の第一選択としては、卵巣と子宮を摘出する手術です。急性腎不全やショック状態にある場合には、状態を安定させるために点滴や抗生剤の投与を行います。
子宮蓄膿症は、避妊手術を受けることで予防ができます。また、避妊手術を行えば、子宮蓄膿症だけでなく、子宮癌、乳腺腫瘍の発症を予防することができます。


犬の胃捻転胃拡張症候群

胃捻転胃拡張症候群とは胃がねじれて拡張してしまう急性の病気のことを言います。最悪の場合、死に至ることもあります。原因としては食後の激しい運動・多量の食事を一気に食べる・遺伝的要因などがあり、一般的には胸の深い大型犬で起こりやすいですがどの犬種でも起こる可能性はあります。初期症状としては落ち着きがなくなる・お腹が張る・よだれ・吐く仕草などがあります。立てなくなったり、ショック症状がみられた場合は死亡率が高いので注意が必要です。治療は症状によって変わりますが、手術による捻転の修復と固定術が必要になる事が多いです。


デグーの妊娠

メスは生後6ヶ月で性成熟を迎え、4歳くらいまで繁殖できます。オスとメスを同じ場所で飼育すると自然に交尾が行われますが、相性が合わなければ交尾・受精が行われないこともあります。メスの妊娠期間は約90日ほどで、平均3~6匹出産します。妊娠は洋梨体型・胎動・急激な体重増加などで判断する以外に、レントゲン・エコーなどでも診断できます。


ハリネズミの脾臓肉腫(脂肪肉腫)

ハリネズミは腫瘍にかかりやすい動物で、高齢になると発症しやすくなります。発生場所は口腔内・皮下・腹腔内など様々で、悪性の腫瘍である場合が多いです。脾臓にできる腫瘍は線維肉腫などがありますが、今回の症例は脂肪細胞が腫瘍化した脂肪肉腫でした。内科的な治療では反応が乏しいため、外科的に摘出するのが一般的です。


フクロモモンガのアポクリン腺癌

アポクリン腺癌は、一般的に高齢の犬にできる腫瘍です。腰下リンパ節に転移しやすく、便が出にくい・多飲多尿・肛門周りが腫れるなどの症状が特徴的です。フクロモモンガは腫瘍自体の報告も少なく、育児嚢にみられるものは極めて稀です。育児嚢に発生したアポクリン腺癌は乳腺由来の腺癌と考えられ、犬に見られるアポクリン腺癌と同様、外科摘出しても再発・転移しやすい腫瘍と考えられます。


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