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動物別症例集

フクロモモンガの自咬症

自咬症は何らかのストレスが原因で自分の体を自分で傷つけてしまうことをいいます。特に性成熟を迎えたオスはしっぽを咬みちぎってしまうことがよくあります。損傷部位の治療として断尾をします。場合によってはエリザベスカラーの装着をおこないますが、原因を除去しないと根本的な治療とはなりません。根本的な治療としては去勢手術が挙げられます。写真は噛みちぎったしっぽの根元を断尾して縫合したものです。


フクロモモンガの裂傷

俊敏性に優れ行動範囲が広いフクロモモンガは、狭いケージのなかでは落下したり体をぶつけたりしやすくなっています。相性が悪いと複数飼育の場合でも喧嘩などで傷になってしまうことがあります。そして自咬症が多い動物なので、その傷がさらに拡がってしまう可能性があります。小さな傷でも病院での消毒・抗生剤による治療が必要です。大きな傷は全身麻酔による縫合が必要となります。


フクロモモンガの陰茎切除

集団行動する動物であるフクロモモンガは、飼育下では単独飼育が多く、ストレスが原因で自分の体を自分で傷つけてしまいます。これを自咬症と言います。特に性成熟を迎えたオスは自分のペニスを咬んでしまうことがよくあり、多くは陰茎が完全に中に戻らなくなってしまいます。そうした場合麻酔下での陰茎切除が必要になります。フクロモモンガの陰茎は2本に分かれているため、分かれる根元を残すかたちで切除します。切除した部分をまた自咬しないために、カラーを装着します。


フクロモモンガのアポクリン腺癌

アポクリン腺癌は、一般的に高齢の犬にできる腫瘍です。腰下リンパ節に転移しやすく、便が出にくい・多飲多尿・肛門周りが腫れるなどの症状が特徴的です。フクロモモンガは腫瘍自体の報告も少なく、育児嚢にみられるものは極めて稀です。育児嚢に発生したアポクリン腺癌は乳腺由来の腺癌と考えられ、犬に見られるアポクリン腺癌と同様、外科摘出しても再発・転移しやすい腫瘍と考えられます。


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