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HOME > ブログ > 動物別症例集 > 犬・猫の膀胱炎 - 早期発見と適切なケアについて
ブログ
犬・猫の膀胱炎 - 早期発見と適切なケアについて
膀胱炎は犬や猫によくみられる泌尿器系のトラブルです。
この状態を理解し、早期に対応することで、大切なペットの苦痛を軽減できます。
当院では、膀胱炎に関する正確な情報提供と、愛犬・愛猫に最適な治療法のご案内に努めています。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
▼膀胱炎のサイン
<行動の変化>
排尿パターンの異変
• 頻繁なトイレ訪問: 通常より明らかに多い回数のトイレ行動
• 排尿時の不快感: うずくまる、鳴く、震えるなどの痛みを示す行動
• 少量の排尿: 一度に出る尿の量が減り、何度も排尿を試みる
• トイレ以外での排尿: いつもと違う場所での排尿が見られる
その他の気になる行動
• トイレ周辺での落ち着きのなさ: 排尿したいのに躊躇している様子
• 全体的な不安定さ: 普段より落ち着かない、寝つきが悪い
• 下腹部への過度な注意: 腹部を舐める、触られると嫌がるなどの反応
<尿の変化>
見た目の変化
• 血液の混入: ピンク色から赤色の尿(程度は様々)
• 透明度の低下: 本来透明な尿が白く濁る
• 色調の異常: 通常の黄色から茶色や赤みがかった色への変化
臭いの変化
• 強いアンモニア臭: 通常より強い刺激臭
• 普段と異なる臭気: 腐敗臭や酸っぱい匂いなど
▼膀胱炎の主な原因
1. 細菌感染
• 尿道からの細菌侵入(特にメスは解剖学的に感染しやすい)
• 代表的な起因菌:大腸菌、ブドウ球菌など
• 免疫力低下時の常在菌による日和見感染
2. 生まれつきの要因
• 尿道の長さ等の個体差
• 尿管、膀胱、尿道の形態異常
3. 結石関連の問題
• 様々なタイプの尿石(ストラバイト、シュウ酸カルシウムなど)
• 結石による膀胱内壁への物理的刺激
• 尿の流れの阻害による停滞
4. 精神的要因(特に猫)
• 環境変化によるストレス(引越し、新しい家族など)
• 多頭飼育環境での緊張関係
• 飼い主の不在や生活リズムの変化
5. その他のリスク要因
• 老化などによる免疫機能の変化
• 糖尿病やホルモン疾患の合併
• 特定の薬剤の長期使用
▼診断プロセス
1. 初診時の確認事項
- 症状の発現時期と経過
- 過去の泌尿器系疾患の有無
- 現在の食事内容と水分摂取量
- ストレス要因の確認
2. 基本的な尿検査
- 尿試験紙による簡易検査(pH、たんぱく質、潜血など)
- 尿の濃縮状態の評価
-
顕微鏡による尿沈渣の観察
3. 精密検査(必要に応じて)
- 超音波検査による膀胱壁の評価
- レントゲン撮影
- 細菌培養薬剤感受性試験
▼治療アプローチ
1.感染性膀胱炎への対応
細菌性膀胱炎
• 尿培養に基づいた適切な抗生物質の選択
• 症状改善後も完治まで継続服用
• 定期的な再検査による治療効果の確認
真菌性膀胱炎
• 抗真菌薬による専門的な治療
• 通常より長期の治療期間
• 免疫機能低下の有無の確認
寄生虫による膀胱炎
• 適切な駆虫薬の使用
• 感染源の特定と環境対策
2. 痛みのコントロール
• 抗炎症作用のある薬剤の使用
• 膀胱の収縮を和らげる薬剤
3. 尿質の管理
• 結石タイプに応じた尿pH調整
• 尿の性状を改善するサプリメント
4. 猫の特発性膀胱炎への総合アプローチ
• ストレス軽減のための環境整備
• フェロモン製品の活用
• 日常生活の安定化
5. 水分摂取の工夫
• 複数の給水ポイントの設置
• ウェットフードの積極的活用
▼自宅でできる予防と管理
1. 日常ケアの基本
• 規則的な排尿機会の提供
• 清潔なトイレ環境の維持
2. 食事管理のポイント
• 質の高いバランス食の選択
• 特定の健康課題に対応した療法食の検討
3. 水分管理の重要性
• 常に新鮮な水を用意する工夫
• 水分摂取量を増やすための方法
4. 定期的な健康チェック
• 年齢に応じた健康診断の実施
• 尿検査を含む予防的スクリーニング
まとめ
膀胱炎は、適切な対応で管理可能な疾患です。
愛するペットの些細な変化に気づき、早期に獣医師に相談することが、重症化予防の鍵となります。
当院では、個々のペットの状態に合わせた治療プランと予防アドバイスを提供しております。排尿に関する気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
愛するペットの些細な変化に気づき、早期に獣医師に相談することが、重症化予防の鍵となります。
当院では、個々のペットの状態に合わせた治療プランと予防アドバイスを提供しております。排尿に関する気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
カテゴリ:
(動物病院うみとそら) 2025年3月13日 18:50
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