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ブログ 2024年10月

犬の食物アレルギーについて

犬の食物アレルギーについて

 

食物アレルギーは、食物に含まれるタンパク質に対し様々な免疫反応を引き起こし、かゆみなどの皮膚症状、嘔吐や下痢などの消化器症状を引き起こす病気です。

今回は、そんな食物アレルギーについてご紹介していきます。

 

 

原因

 

食物アレルギーの主な原因は、食物に含まれるタンパク質です。一般的に原因となりやすいタンパク質としては、牛肉、乳製品、鶏肉、小麦と言われています。しかし、その他のタンパク質が原因となる場合もあり、複数のタンパク質が原因となることもあります。

 

 

症状

 

食物アレルギーの症状としては、主に皮膚症状、消化器症状が認められます。

皮膚症状としてはかゆみ、脱毛、紅斑、二次的な細菌感染などを認めることが多いです。主に目周り、口周り、耳、腋窩、鼠径、会陰部、指の間に症状が出やすいと言われています。

消化器症状としては、軟便、下痢、嘔吐、排便回数の増加などを認めます

似たような皮膚症状を認める病気で犬アトピー性皮膚炎というものがありますが、犬アトピー性皮膚炎と異なり季節性がなく、かゆみ止めの治療薬に反応しづらいという特徴があります。

 

 

診断

 

かゆみを伴う皮膚疾患のうち、まずは細菌感染、真菌感染、ノミアレルギー、寄生虫などの感染性疾患がないか、皮膚検査を行い除外します。食物アレルギーでは二次的な細菌感染による膿皮症を引き起こしやすいので、感染が疑われる場合はそちらの治療が優先されます。感染を除去、治療してもかゆみなどの症状が残ってしまう場合、食物アレルギーに対する検査が行われます。

食物アレルギーの診断としてゴールドスタンダードな検査には、除去食試験と食物負荷試験というものがあります。また、診断の補助として血液によるアレルギー検査を行う場合もあります。

 

除去食試験

食物アレルゲンを含まない、食物アレルギー専用のご飯に変更することにより、かゆみなどの症状が改善するかを確認する試験です。食物アレルギーの場合、一般的には4~8週間ほどで症状が改善されます。注意点として、除去食試験中はおやつやハミガキガムなど、除去食試験として食べさせているもの以外の食べ物は、一切口にしてはいけません。食物アレルギー専用のご飯を食べてくれない場合、今まで食べたことのないタンパク質(ラム肉、鹿肉、ジャガイモ、魚など)や、後述するアレルギー検査で陰性であるタンパク質を利用したホームメイド食を使用する場合もあります。

 

食物負荷試験

除去食試験により症状が改善した場合、今まで食べていたフードに戻して症状が再燃するか確認するのが食物負荷試験です。これにより症状が再燃した場合、食物アレルギーと確定診断することができます。また、食物アレルギーの原因として疑わしいタンパク質を1種類ずつ添加していくことにより、食物アレルギーの原因タンパク質を特定することも可能です。

 

アレルギー検査

食物アレルギーの診断、治療の補助として、血液によるアレルギー検査を実施する場合があります。注意しなければいけないのが、アレルギー検査では食物アレルギーを確定診断出来ないということです。あくまでも、食物アレルギーの確定診断には除去食試験と食物負荷試験が必須になります。

 

 

治療

 

除去食試験、食物負荷試験、場合によってはアレルギー検査の結果を用いて、ご飯を選んでいきます。食物アレルギー専用の加水分解食や低たんぱく食、今まで食べたことのない新奇たんぱく食、ホームメイド食などを利用していきます。その子によって合うご飯は異なってきますので、どのご飯を選ぶべきか獣医師と相談した上で決定していきます。

なかには、アトピー性皮膚炎や細菌感染などの皮膚病を併発していることもあります。その場合はかゆみ止めや抗生剤などの飲み薬、消毒薬、シャンプーなどによる治療が必要になります。

 

 

まとめ

 

食物アレルギーは、犬の皮膚病のなかではとても多い病気です。しかし、原因を突き止めることが難しい病気でもあるため、慎重な検査、経過観察、治療が必要になってきます。皮膚に関することでお悩みの際は、是非一度当院へご相談ください。

杉並区、中野区、南台、和泉、和田、堀ノ内、永福、浜田山、高円寺、下高井戸、桜上水の方は往診もいたします。


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アリーズ動物病院グループでは外部の先生をお呼びして、月1回勉強会を開催しております。

今月は日本小動物医療センター夜間救急診療科課長の森田肇先生による心肺蘇生実習を行いました。

実践形式で行ったので、チーム医療の大切さも学ぶことができました。
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犬のアトピー性皮膚炎について

犬アトピー性皮膚炎について

 

犬アトピー性皮膚炎は、遺伝的素因を背景としたアレルギー性疾患です。花粉、ダニ、カビといった様々な抗原(アレルゲン)が皮膚から体内へ侵入し、免疫が過剰に機能することによって皮膚に炎症、痒みを引き起こします。

このように、複雑で多様な因子が絡んでいる犬アトピー性皮膚炎について紹介していきます。

 

原因

 

犬アトピー性皮膚炎には様々な原因がありますが、今回は主要な三つの原因について紹介していきます。

 

遺伝

遺伝的に犬アトピー性皮膚炎になりやすい犬種として

 

シーズー

ボストンテリア

ミニチュアシュナウザー

ヨークシャーテリア

パグ

ブルドッグ

ラブラードルレトリーバー

などが挙げられます。

 

皮膚バリア機能の低下

もともと皮膚は、外部の抗原(アレルゲン)から体を守るという働きを持っています。しかし、犬アトピー性皮膚炎の場合、表皮細胞間脂質の低下やフィラグリンの低下などにより、皮膚のバリア機能が低下していることが報告されています。その結果、外部の抗原(アレルゲン)が表皮内に侵入しやすくなり、皮膚の炎症を引き起こしやすくなります。

 

免疫学的異常

健康な犬では問題のないような抗原(アレルゲン)の刺激でも、犬アトピー性皮膚炎の場合、免疫が過剰に働くことにより痒みを引き起こしてしまいます。

 

 

症状

 

痒み、脱毛、紅斑、二次的な細菌感染などの皮膚症状を認めます。痒みの行動としては、引っ掻く、舐める、擦る、噛む,頭を振るなどが認められます。主に口周り、目周り、耳介、腋、鼠径、指間に症状を認めることが多いです。犬種によっては背中など、典型的ではない部位に症状を認める場合もあります。また、春から夏にかけて気温や湿度の上昇とともに痒みが悪化する場合もあります。これを「季節性」と言い、犬アトピー性皮膚炎の場合は季節性の痒みを認める場合もあります。

 

診断

 

痒みを伴う皮膚疾患のうち、まずは細菌感染、真菌感染、ノミアレルギー、寄生虫などの感染性疾患がないか、皮膚検査を行い除外します。また、食物アレルギーの除外を行うために除去食試験、食物負荷試験を行います。中には、食物アレルギーと犬アトピー性皮膚炎を併発している場合もあります。このように感染性の疾患、食物アレルギーの除外を行った上で痒みが認められる場合に、犬アトピー性皮膚炎だと診断することができます。

ある程度犬アトピー性皮膚炎っぽいかどうかを診断するための「Favrotの診断基準」というのも存在します。

また、以上の検査や診断基準をもとに犬アトピー性皮膚炎と診断をつけた後、どの抗原(アレルゲン)が原因となっているのかなどを調べるために、血液検査によるアレルギー検査を行う場合もあります。

 

治療

 

飲み薬

注射薬

塗り薬(外用薬)

シャンプー

食事の切り替え

抗原(アレルゲン)の回避

アレルゲン特異的免疫療法(減感作療法)

等、様々な治療法があります。その子に合わせた治療法を選択していきます。なかには、これらの治療法を組み合わせて行う場合もあります。

 

 

まとめ

 

犬のアトピー性皮膚炎は根治させることは難しく、長い付き合いが必要となる皮膚疾患です。

 

しかし、それぞれの症例に合う治療方法を選択できれば、良好にコントロールすることも可能です。

 

もし愛犬の皮膚について異常を感じましたら、ぜひ一度当院へご相談ください。


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